自動車使用貸借契約書の作成例

税務

自動車使用貸借契約書

個人名義の車を会社で使う

使用貸借契約書を作成する
-ひな形文例-

その他

- 2016.12.13 -

個人名義の自動車は法人経費にできるか

法人成りをする場合、個人事業時代の自動車を法人で引続き使用することがあります。
基本的には名義変更するのがベストですが、ローン会社の関係等で不可な場合もあるでしょう。
また、法人名義に替えることで保険料がアップするなど、やむを得ない事情もあります。

名義変更ができない場合は、個人と会社で、①賃貸借契約等を結ぶ、②使用貸借契約を結ぶ、等の方法が考えられます。
賃貸借契約を結んだ場合、その賃料は法人経費に出来ますが、個人に確定申告が必要となるため煩雑さのデメリットがあります。特に役員の場合、年間賃料が20万円以下であっても確定申告が必要です(所得税法第121条、所得税法施行令第262条の2)。
他方、使用貸借契約では無償でやり取りが行われるため、その煩雑さはありません。

セカンドカーを持っていれば、事業に供する自動車につき100%経費算入も可能でしょう。
しかし、そうでない場合はどうしても家事分が混在することになり、按分が必要となります。
よって、契約書を残すことにより、客観的取り決めや証拠を残しておく方が良いでしょう。

以下では、自動車使用貸借契約書のひな形/文例等の書き方を紹介します。
税理士指導の元、自社の実情により、カスタマイズして下さい。

自動車使用貸借契約書の文例

以下は、法人成りに伴い個人事業主時代に使っていた営業車両を法人へ無償貸与したケースです。
なお、使用貸借契約書は原則印紙不要です。

  • 使用貸借契約書

  • ●● ●●を甲とし、株式会社▲▲を乙として、甲が提供する自家用自動車の自動車使用貸借に関して次のとおり契約を締結する。
  • 第1条 本契約の目的である自動車(以下「自動車」という。)は次のとおりとし、乙が行う事業に対して、甲から乙に無償でこれを貸与し乙はこれを借り受ける。

  • 1.平成◇◇年式 トヨタカローラ(車両登録番号 ■■■■)1台

  • 第2条 自動車の使用貸借期間は平成◇◇年◇月◇日から乙の決算日までとし、以後1年単位とする。但し、期間満了の1ヶ月前に甲または乙が相手方に解約の意思表示をしないときは、同一条件にて自動更新することを妨げない。
  • 第3条 乙は本件自動車についての日常点検・修理等を行わなれければならない。
  • 第4条 本契約期間中に要した自動車にかかる各諸経費は、乙の事業供用度合に応じて、乙がこれを負担する。ただし、乙の故意・過失及び業務に起因するもの並びに乙の都合により支出するものは全額乙が負担する。
  • 第5条 甲または乙は、1ヶ月前の予告をもって、この契約を解約することができる。
  • 第6条 乙が甲へ自動車を返却する場合、乙は自己が設置した備品等を撤去し甲に返却する。
  • 第7条 乙は自動車の使用保管につき善良な管理者の注意を用いなければならない。
  • 第8条 本契約に定めのない事項が生じたとき、又はこの契約条件に各条項の解釈につき疑義が生じたときは、甲乙誠意をもって協議の上解決するものとする。

  • 上記契約を証するため本契約書を作成し各自記名捺印のうえ、各1通を保有するものとする。

  • 平成◇年■月◇日
  • 甲  岡山県倉敷市○○町1丁目
  • ●● ●●          ㊞
  • 乙  岡山県倉敷市△△町2丁目
  •     株式会社▲▲代表取締役
  • □□ □□          ㊞

【注】本Tipsでは、投稿日時点の情報を掲載しています。記事に関する税務・個別具体的判断につきましては、最寄の税務署または顧問税理士・税理士法人等へ相談確認して下さい。万一当記事に基づいて発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねます。