就労支援事業の税務

税務

就労支援

就労支援は特殊な事業?

収益事業に該当するか
-34業種を検討-

法人税

- 2015.01.31 -

就労支援事業における税務の特徴

就労支援事業は、大別して、A)就労支援事業、B)福祉サービス事業、の2つがあります。
就労支援事業の経営に関する概要はこちら

まず、Aについては、障害者等が主体となって業務に従事することが多く、公益的性質を有する場合もあるため、一般的な収益事業との区分が必要であるのか疑問が沸きます。
ところで、法人税では、原則として、34業種の収益事業(法人税法施行令第5条第1項)で一定の要件に該当すれば、法人税を納める必要が発生してきます。
収益事業は以下の通りです。

・物品販売業
・不動産販売業
・金融貸付業
・物品貸付業
・不動産貸付業
・製造業
・通信業
・運送業
・倉庫業
・請負業
・印刷業
・出版業
・写真業
・席貸業
・旅館業
・料理店業その他の飲食店業
・周旋業
・代理業
・仲立業
・問屋業
・鉱業
・土石採取業
・浴場業
・理容業
・美容業
・興行業
・遊技所業
・遊覧所業
・医療保健業
・技芸教授業
・駐車場業
・信用保証業
・無体財産権提供業
・労働者派遣業

したがって、Aについては、その実態に応じて、上記34業種に該当するか否かを判断します。
ただし、公益法人等が行う事業で一定のものは、上記収益事業に含まれません(法人税法施行令第5条第2項)。

次に、B(障害者福祉サービス事業)については、原則として、医療保健業に該当することになります。
ただし、一定の社会福祉法人が行う医療保険業については、34業種から除かれます。

例外として以下いずれかに該当する場合は、障害者福祉サービス事業であっても、収益事業に該当せず法人税の納税義務はありません。

  • ①実費弁償の性質を有し、事前に税務署長の確認を受けた場合(法人税法基本通達15-1-28)
  • ②サービス従事者の半数以上が身体障害者等であり、そのサービスが彼らの生活の保護に寄与している場合(法人税法施行令第5条第2項)

なお、公益法人等が収益事業と収益事業以外の事業を行う場合、それぞれ区分経理が必要になります(法人税法施行令第6条)。

上記をまとめると、以下となります。

事業名 法人税
就労支援事業 34業種
福祉サービス事業 医療保健業

【注】本Tipsでは、投稿日時点の情報を掲載しています。記事に関する税務・個別具体的判断につきましては、最寄の税務署または顧問税理士・税理士法人等へ相談確認して下さい。万一当記事に基づいて発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねます。