接待交際費(個人)と必要経費性

税務

交際費

その交際費、本当に落ちる?

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-個人事業主の場合-

所得税

- 2015.01.31 -

接待交際費と必要経費

法人の場合、営利追求が本来の活動です。
しかし、個人の場合は、所得獲得の他に個人的消費活動の側面もあります。
そのため、業務遂行上必要な部分とそうでない部分を、区別する必要があります。
個人税務では、業務活動に関係ある支出は、必要経費に算入できます。
では、以下のケースでは、必要経費と認められるでしょうか。

  • ①異業種交流会でのゴルフ
  • ②友人への贈答品
  • ③特定の従業員との飲食

【ケース①】について
 自己の業務と関連性のない相手との同伴/プレーの場合、必要経費とならない可能性があります。
 人脈開拓・情報交換といった、漠然とした目的では否認されるかもしれません。
 また、ゴルフは特にプライベートとの境が曖昧です。
 ゴルフの場合、その目的・参加者・得られた結果等の記録を管理できればより良いでしょう。

【ケース②】について
 顧客の紹介等を期待して、友人等を接待することもあります。
 しかし、友人であるが故、その親睦を深めるという個人的/家事的目的があるかもしれません。
 また、事業開始以前から贈答品を送る関係であれば、どうでしょうか。
 業務との関連性がない友人への贈答であれば、どうでしょうか。
 接待により、継続的に顧客を獲得できた等の成果があれば、記録しておくことが望ましいでしょう。

【ケース③】について
 全社員を対象とした慰労目的の飲食の場合は、原則、福利厚生費となります。
 特定の社員のみであっても、業務遂行上必要であれば、必要経費となる可能性が高いでしょう。

必要経費の範囲

必要経費とは、伝統的に以下のように解されています。
「必要経費に算入すべき金額は~略~総収入金額を得るため直接に要した費用~略~とする」
(所得税法第37条第1項)
つまり、直接的な業務関連性がなければ、認められないというものです。

しかし、当該見解は先の弁護士の懇親会経費に関する判決(※)により揺らぎつつあります。
(※東京高裁平成24年9月19日判決、最高裁26年1月17日決定)

必要経費性を主張するならば、何らかの因果関係を残して置くのが現実的対応策かと思われます。
例えば、地域活動への参加であっても、そこから顧客の紹介等はあると思います。
そうであれば、地域活動の性質、自己業務との関連性、紹介者、その結果等を記録します。

なお、業種との関連性について、以下の例で説明します。
例えば、スポーツクラブの会費を必要経費にできるかで検討してみます。
納税者がアスリートの場合と、税理士の場合はどうでしょうか。

アスリートにとって、肉体を鍛えることは業務関連性があると言えます。
仮に複数のジムを掛け持ちしていても、各ジム毎に設置マシン等異なるため、合理性があります。
また、スポーツインストラクターでも同じことが言えるかもしれません。
ヨガ講師やスポーツ記者の場合はどうでしょうか。
だんだんと関連性は薄れていくことに気付かれると思います。

他方、税理士のスポーツクラブ会費は必要経費として認められるでしょうか。
仮に顧客との付き合いや仕事を継続する上での健康増進が目的だとします。
この場合は、経費性が認められる可能性は低いと思われます。
なぜなら、税理士とクラブとの関連性が薄く、家事側面も多分に包摂しているからです。

同じ経費であっても、誰が何のために行うかによって、判断は異なります。

まとめ

家事関連費用において、必要経費の区分が難しい例は、少なくありません。
対策としては、業務との直接関連性/必要性等をできるだけ客観的に証明できる証拠資料を準備しておくことがポイントです。

【注】本Tipsでは、投稿日時点の情報を掲載しています。記事に関する税務・個別具体的判断につきましては、最寄の税務署または顧問税理士・税理士法人等へ相談確認して下さい。万一当記事に基づいて発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねます。