不動産取得税の計算、軽減措置等の概要

税務

不動産取得税

不動産取得税の軽減

不動産取得時の節税
-税額軽減-

地方税

- 2015.04.30 -

不動産取得税とは

不動産取得税とは、土地建物等の購入に際し、その所有者に課せられる税金です。
これは、購入後1回のみ賦課されます。
以下では、新築の住宅用不動産購入のケースを前提に、計算等の概要を見ていきます。

不動産取得税の計算

不動産取得税(A)の計算方法は、原則、以下の通りです。

  • A=課税標準額×4%

ここで、課税標準額=不動産の購入価格、とはなりません。
課税標準額の計算には、以下のプロセスを経ることになります。

  • ①住宅が完成する
  • ②市区町村の実地調査等により、不動産の価値が評価される
  •  (固定資産税評価額決定)
  • ③課税標準の特例等が適用される
  •  (例:新築住宅の取得に係る1,200万円控除)
  • ④課税標準額の決定

上記で計算される、固定資産税評価額は、概ね、時価の70%程度といわれています。

新築住宅の取得に係る特例

新築住宅を購入した場合、1,200万円の控除を受けられます。
主な、要件は以下の通りです。

類型 種別 床面積(㎡)
下限 上限
一戸建て   50 240
共同住宅等 貸家 40
貸家以外 50

上記、共同住宅等とは、アパート/マンション等を想定しています。
また、当該各床面積は、独立した区画(居住の用に供する占有部分毎)に判定されます。
したがって、大規模マンション等でも、一区画毎が要件を満たすならば、適用可です。

なお、別荘は当該適用対象外です。
また、母屋と附属関係にある離れ・物置・車庫等は、その合計で計算します。

さらに、当該家屋が認定長期優良住宅に該当する場合、控除額:1,300万円となります。
(期限:平成28年3月31日)

一方、宅地評価土地の計算についても、1/2となる特例措置が設定されています。
(期限:平成30年3月31日)

新築住宅用土地の取得に対する税額の軽減

上記、新築住宅の取得に係る特例の要件を満たす場合、土地につき、税額軽減があります。
主な要件は、以下の通りです。

土地の購入時期 軽減額
(下記①②の高い方)
新築前 新築後
3年以内 1年以内 ①150万円×税率
②(土地1㎡当り固定資産税評価額×1/2)×(住宅床面積×2(200㎡限度))×税率

上記、「新築後」とは、以下のケースが想定されます。

  • ・借地に家屋を新築後、敷地を購入した場合
  • ・土地付き建売新築家屋の購入

不動産取得税の税率

土地、住宅用家屋につき、不動産取得税の本則税率は、4%となっています。
しかし、平成30年3月31日までは、特例税率:3%が適用されます。

軽減措置を受けるための手続き/申請

上記軽減措置を受けるためには、原則、取得後:60日以内の申告が必要です。
ただし、各自治体により取扱いが異なる場合もあります。
必ず、事前確認しておきましょう。
なお、主な提出添付資料は以下の通りです。

  • ・建築工事請負契約書
  • ・建築確認済書
  • ・土地売買契約書
  • ・最終代金領収書
  • ・登記簿謄本

不動産取得税の計算(具体例)

不動産取得税の具体的計算例は以下の通りです。

  • ・一戸建て新築家屋等を購入
  •  (床面積:150㎡、土地面積:200㎡)
  • ・固定資産税評価額
  •  (建物:3,000万円、土地:4,000万円)
下↓
  • 【建物】
  •  (3,000万円-1,200万円)×3%=54万円(A)
  • 【土地】
  •   150万円×3%=4.5万円(B)
  •   (4,000万円÷200㎡)×1/2×(200㎡)×3%=60万円(C)
  •   B<C ∴C
  •   4,000万円×1/2×3%=60万円(D)
  •   D-C=0円(E)
  • 【計算結果】
  •   A+E=54万円

【注】本Tipsでは、投稿日時点の情報を掲載しています。記事に関する税務・個別具体的判断につきましては、最寄の税務署または顧問税理士・税理士法人等へ相談確認して下さい。万一当記事に基づいて発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねます。